法人についての基礎知識

法人とは

法人とは、法律によって設立され、一定の目的を持ち、自己の名義で権利義務を有する存在のことを指します。つまり、法人は自己の名義で財産を所有し、契約を締結し、訴訟を起こしたり、被告として訴えられたりすることができます。

法人は、人間のような実体ではありませんが、法律上の存在として認められており、個人と同様に法律によって保護されます。また、法人は永続的に存続することができるため、経営者や出資者の変更があっても、その存在や権利義務が引き継がれることができます。

法人には、営利法人と非営利法人の2つの種類があります。

  • 営利法人:利益を追求するために設立される法人。株式会社や合同会社など。
  • 非営利法人:社会福祉、文化・芸術、スポーツ、教育・研究などの公益活動を目的として設立される法人。一般社団法人や一般財団法人、NPO法人など。

法人を作るメリット

法人を作ることには以下のようなメリットがあります。

  • 責任の限定:法人は、法人としての責任を負うため、法人が債務を負っても、原則として個人的な財産に直接影響が及ぶことはありません。ただし、法人の資金調達などの際に個人が保証をした場合には、個人が債権者に対して直接責任を負います。
  • 組織の継続性:法人は、設立者が死亡や引退などで退任した場合でも、継続的に事業を継続することができます。つまり、法人としての独立性を持つため、組織として長期的な視野で事業を展開することができます。
  • 社会的信頼性:法人は、法律に基づいて設立され、社会的に認められた組織です。そのため、社会的な信頼性が高まります。

以上のように、法人を設立することには、多くのメリットがあります。ただし、設立には手続きや費用がかかるため、十分に検討してから進めることが必要です。

営利法人

営利法人とは、企業活動によって利益を追求することを目的とした法人のことを指します。会社(株式会社や合同会社など)は営利法人です。

営利法人には、以下のような特徴があります。

  • 利益追求が目的である:営利法人は、市場において競争を行い、利益を追求することが目的です。
  • 資金調達を行う:営利法人は、個人や法人から資金を調達し、事業を展開しています。
  • 収益性の確保が重要である:営利法人は、収益性を確保するために、効率的な経営を行い、商品やサービスの品質を維持することが求められます。
  • 利益を配当として株主や出資者に還元することができる:営利法人は、利益を上げることが目的であるため、その利益を配当として株主や出資者に還元することができます。
  • 社会的責任を持つ:営利法人は、社会に貢献することも求められます。近年では、CSR(企業の社会的責任)の観点から、社会的貢献活動を行う企業も増えています。

非営利法人

非営利法人の活動は、社会福祉、文化・芸術、スポーツ、教育・研究など、多岐にわたります。
非営利法人は、利益を追求することが目的ではないため、その収益は活動維持や事業の発展、社会貢献活動などに充てられます。また、非営利法人は、株主や出資者が存在しないため、資金調達には補助金や寄付、助成金などが利用されることが多いです。

非営利法人には、一般社団法人、一般財団法人、NPO法人などがあります。

非営利法人には、以下のような特徴があります。

  • 利益追求が目的ではない:非営利法人は、利益を追求することを目的とせず、公益的な目的に資する活動を行うことが目的です。
  • 株主や出資者が存在しない:非営利法人には、株主や出資者が存在しないため、資金調達には補助金や寄付、助成金などが利用されることが多いです。
  • 収益性よりも社会的効果を重視する:非営利法人は、収益性よりも社会的効果を重視することが多いです。そのため、効率的な経営や収益性の確保よりも、社会貢献や公益活動に資することが求められます。
  • 利益を配当として出資者に還元することができない:非営利法人は、利益を上げても、それを出資者に配当として還元することはできず、その利益はすべて活動維持や社会貢献活動に充てられます。
  • 透明性のある運営や会計管理:非営利法人は社会的責任があるため透明性のある運営や会計管理が求められており、運営や活動内容に関する監視が厳格に行われることが特徴の一つです。

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